2025.01.08NEW

顧客を惹きつけ、ロイヤルティを高める”コンテンツマーケティング”とは?

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顧客を惹きつけ、ロイヤルティを高める”コンテンツマーケティング”とは?
インプットポイント
  • コンテンツマーケティングの定義
  • コンテンツマーケティングのビジネスモデル
  • コンテンツマーケティングの主な手法の種類と特徴
  • コンテンツマーケティングとロイヤルティマーケティングの関係性

近年、多くの企業が注目しているマーケティング手法の一つに「コンテンツマーケティング」があります。従来の広告や販売促進手法だけでは、消費者に持続的な影響を与えることが難しくなっています。消費者が求めるのは、単なる商品の紹介ではなく、彼らに価値を提供し信頼を築けるコンテンツです。そのため、消費者との関係を深める「コンテンツマーケティング」が、特に重要視されるようになっています。

また、ここで重要なのが、消費者との信頼関係を築き、長期的に顧客を維持するための「ロイヤルティマーケティング」の役割です。コンテンツを通じて価値を提供し、顧客の課題を解決することが、ブランドへの信頼感やロイヤルティを育むためのカギとなります。尚、「ロイヤルティマーケティング」についてはこれまで以下の記事で紹介してきました。



現代の消費者は、自ら積極的に情報を収集し、価値あるコンテンツを重視します。そのため、企業が単に自社商品やサービスをアピールするだけでなく、消費者にとって有益な情報を提供することが必要不可欠です。このような背景の中で、コンテンツマーケティングは、ブランドの信頼を築き、消費者との深い関係を構築するための中心的な戦略となっています。

本記事では、コンテンツマーケティングのビジネスモデルや具体的な手法(特にBtoC向け)、そしてロイヤルティマーケティングとの関係性について詳しく解説していきます。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、消費者に対して価値のあるコンテンツを提供し、ブランドに対する信頼を築き、最終的に購買行動やエンゲージメントを促進するマーケティング手法です。単に商品を宣伝するのではなく、消費者が抱える問題を解決したり、役立つ情報を提供したりすることで、ブランドに対するポジティブな印象を形成することを目的としています。

これにより、顧客は「そのブランドは自分の問題を解決してくれる存在だ」と認識し、ブランドとの関係が深まるのです。また、コンテンツマーケティングは、ブランドの価値を強化し、消費者が長期的にロイヤルティを持ち続けるよう働きかける重要な役割を果たします。

コンテンツマーケティングのビジネスモデル

コンテンツマーケティングのビジネスモデルは、以下のプロセスで成り立っています。

  1. 認知の向上
    ブランドの存在をターゲット層に認知させるため、SEOやSNSなどのチャネルを通じてコンテンツを広く届けます。消費者が検索エンジンやソーシャルメディアで情報を探す際に、関連する価値あるコンテンツを見つけることで、ブランドの認知度を高めます。
  2. 興味喚起と信頼構築
    コンテンツを通じて、消費者の問題やニーズに応えることで、ブランドへの信頼を形成します。この段階では、単なる商品やサービスの紹介ではなく、消費者に役立つ情報を中心に提供することが求められます。
  3. エンゲージメントの促進
    コンテンツを通じた消費者とのコミュニケーションを強化し、さらに深いエンゲージメントを構築します。たとえば、記事のコメント機能やSNSでの双方向コミュニケーションを通じて、消費者が積極的に関与する環境を作ります。
  4. コンバージョン(購買・行動促進)
    最終的には、コンテンツを通じたエンゲージメントが購買や特定の行動(例えば、ニュースレターへの登録や問い合わせフォームの送信)につながります。

このように、コンテンツマーケティングは消費者の購買プロセス全体をサポートし、最終的に売上やロイヤルティの向上につなげるビジネスモデルです。

コンテンツマーケティングの主な手法の種類と特徴(BtoC向け)

  1. 記事コンテンツ
    ブログやウェブメディアにおける記事コンテンツは、SEOを活用した検索エンジン経由での流入を目的としています。具体的な商品レビューやハウツーガイド、業界トレンドに関する情報提供が主な内容です。質の高い記事は、消費者が求める情報を提供するだけでなく、ブランドの専門性をアピールし、信頼感を醸成します。
  2. 動画コンテンツ
    視覚と聴覚に訴える動画コンテンツは、商品の使用シーンやブランドストーリーをダイナミックに伝えるのに最適です。特にYouTubeやTikTokなどのプラットフォームを活用した短編動画は、視覚的インパクトが強く、ブランドへの関心を引きやすいです。
  3. ポッドキャスト
    ポッドキャストは音声のみのコンテンツですが、長時間のコンテンツ消費が可能であり、通勤中や作業中など「ながら時間」に聞ける点が特徴です。ブランドや業界に関する深い知識やトピックを扱うことで、リスナーとの親近感や信頼感を高めます。
  4. SNS
    ソーシャルメディアは、ターゲット層とのリアルタイムなやり取りを可能にし、双方向のコミュニケーションを促進します。キャンペーンやニュースの共有、消費者の意見に素早く対応することで、顧客との距離感を縮め、エンゲージメントを高めます。
  5. メールマガジン
    定期的に送られるメールマガジンは、既存の顧客との接点を維持し、ブランド情報や特別なオファーを伝える手法です。ターゲットに合わせたパーソナライズされた内容を提供することで、開封率やコンバージョンを高めることが可能です。
  6. アプリ
    モバイルアプリは、ユーザーにブランドの独自体験を提供するためのツールです。アプリ内での限定コンテンツやプッシュ通知機能を活用して、ユーザーとの継続的な接触を図り、ロイヤルティを向上させることができます。
  7. コミュニティ
    ブランドを中心にしたオンラインコミュニティは、ユーザー同士のつながりを促進し、ブランドへの愛着を強化する場です。Facebookグループや専用フォーラムでユーザーが情報を共有し合うことで、自然と口コミが広がる効果も期待できます。
  8. オンラインイベント
    ウェビナーやライブイベントは、消費者と直接対話し、ブランドの最新情報や製品デモをリアルタイムで伝える手段です。消費者とのインタラクティブなコミュニケーションを通じて、ブランドに対する親近感を育むことができます。
  9. オフラインコンテンツ
    デジタル時代にも関わらず、オフラインコンテンツや体験は重要です。特にポップアップショップやリアルイベントは、消費者に直接商品やブランドの魅力を伝える機会を提供します。消費者にブランドの「現実」を体験させることで、デジタルでは得られない感覚を引き出します。

コンテンツマーケティングとロイヤルティマーケティングの関係性

コンテンツマーケティングとロイヤルティマーケティングは、顧客との長期的な関係性を強化するための重要なアプローチですが、それぞれ異なる役割を果たします。しかし、この2つは相互に補完し合う関係にあり、企業のマーケティング戦略を成功させるためには、両者を効果的に連携させることが重要です。

コンテンツマーケティングの役割①:信頼の構築

コンテンツマーケティングは、主に潜在顧客や新規顧客を対象に、ブランドや商品に対する信頼を築く役割を果たします。たとえば、ブログ記事や動画、SNS投稿などを通じて、消費者にとって有益な情報を提供することで、ブランドがその分野で信頼できる存在であることをアピールします。
初めてブランドに触れる消費者にとって、信頼できる情報源からのコンテンツは非常に価値があり、購買決定に至るプロセスで大きな影響を与えます。これにより、コンテンツマーケティングは新規顧客の獲得に大きな力を発揮します。

ロイヤルティマーケティングの役割②:顧客維持と関係強化

一方、ロイヤルティマーケティングは、既存顧客との関係性を深め、リピート購買や顧客のロイヤルティ(忠誠心)を向上させるために重要です。顧客がすでにブランドを利用している場合、その顧客を長期的に維持するためには、単に商品を提供するだけでなく、特別な価値や体験を提供することが求められます。
ここで重要な役割を果たすのがCRM(顧客関係管理)です。CRMを活用することで、企業は顧客の購入履歴や興味・関心を把握し、それに基づいたパーソナライズされたコンテンツを提供することができます。このように、ロイヤルティマーケティングは、CRMを活用して顧客一人ひとりに最適なオファーや情報を届けることにより、顧客との関係性を強化し、再購買やブランドロイヤルティの向上を促進します。

両者の連携による相乗効果

コンテンツマーケティングとロイヤルティマーケティングは、連携することでさらに大きな効果を生み出します。まず、コンテンツマーケティングを通じて新規顧客を獲得し、その後、ロイヤルティマーケティングを通じて顧客を維持する流れが理想的です。
例えば、顧客がブログやSNSを通じてブランドに初めて触れた後、商品を購入するとします。この段階では、コンテンツが信頼を築き購買を促進しています。その後、購入後に送られるフォローアップのメールや、パーソナライズされた提案、限定オファーなどを提供することで、ロイヤルティマーケティングが顧客を維持し、長期的なリレーションシップを構築します。

また、ロイヤル顧客に対しても継続的に質の高いコンテンツを提供することで、ブランドへの信頼感をさらに深め、競合他社への流出を防ぐことができます。コンテンツは、顧客との接点を維持し続けるための重要なツールであり、ロイヤルティを高めるうえで欠かせない要素です。


まとめ

コンテンツマーケティングは、消費者に価値ある情報を提供することで信頼を築き、最終的に購買行動へとつなげる重要な手法です。一方で、ロイヤルティマーケティングは、既存顧客との関係を維持・強化し、ブランドへのロイヤルティを高める役割を果たします。この2つのマーケティング手法は、顧客との関係を一方的に構築するだけでなく、双方向のコミュニケーションを通じて、信頼と長期的な関係を強化するために非常に有効です。

また、CRMを活用することで、顧客ごとにパーソナライズされたコンテンツを提供できるため、より精度の高いマーケティング活動が可能となります。新規顧客を獲得し、その後の顧客を維持・育成するために、コンテンツマーケティングとロイヤルティマーケティングを組み合わせた戦略を導入することで、企業は持続可能な成長を実現することができるでしょう。

企業が競争の激しい市場で成功を収めるためには、これらのマーケティング戦略をうまく活用し、顧客との深いつながりを作り上げていくことが求められます。

Profile

田中 瑞樹Consultant
一橋大学卒業後、2000年P&Gファーイースト・インクに入社。アシスタントブランドマネージャーとして新商品のコンセプト開発に従事。2002年ダイレクトマーケティングに強みを持つ広告会社の株式会社大広に入社。営業を2年、マーケティングリサーチャー・ストラテジープランナー2年の職種経験を経て、2006年より大⼿健康⾷品通販クライアントの専属デジタルチームのリーダーに着任。以降、約11年間チームを牽引しつつ、「新規顧客獲得販促活」から「顧客育成のCRM活用」まで幅広い範囲のデジタルマーケティング活動に関して、戦略策定・メディアプラン作成・施策開発等に従事。2017年から株式会社ファーストデジタルにジョイン。
田中 瑞樹
田中 瑞樹
この記事は田中 瑞樹が執筆・編集しました。

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