【事例紹介】戦略的なwebサイトリニューアルの進め方
- インプットポイント
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- 戦略的にwebサイトをリニューアルするポイントを知る。
- webサイトを戦略的に見直す際、プロジェクト全体がどのような形で進んでいくか知る。
案件の背景:サイトリニューアルに戦略的な観点を入れたい
クライアントはオウンドメディアの運営を行っており、そのリニューアルを支援することが本プロジェクトにおける弊社の役割でした。
クライアントはこれまで、既存ベンダーと二人三脚でオウンドメディアの定期リニューアルを進めてきました。しかし、既存ベンダーがデザイン性に特化した企業だった為、戦略的な観点からサイトを見直したいという社内意見があり、その道で実績のある弊社にお声がけいただきました。
改善計画/プロジェクト全体の流れ
本プロジェクトは、大きく3つのステップによる改善を計画・実施しました。実施期間は約2ヶ月半になります。
1.調査/分析による課題・要望の洗い出し(約4週間)
現状のサイトがどのように運用されており、どのような課題が存在しているのか調査・整理する段階。
1-1.各部署ヒアリング/ドキュメント調査
改修対象サイトは、複数の部署やチームに跨って運営されている大規模なオウンドメディアの為、各関係部署がどういった課題を抱えており、どういった改善を望んでいるか、ヒアリング実施や共有された書類の読み込みにより調査・分析する。
1-2.定性的な調査(ヒューリスティック調査)
web関連の知見を多く持つ専門家が、利用ユーザーになりきって実際にサイトを利活用してみることで、機能やコンテンツ内容、ページ間の動線になど至るまで、UI/UX面における課題を調査・分析する。
1-3.定量的な調査(数値把握調査)
Google アナリティクス、SFA(営業支援ツール)など、クライアントが業務で使用しているツールから出力された各種レポートを確認。数値面における課題を調査・分析する。
1-4.競合調査
類似する他社サイトを調査・分析。コンセプト、サイト構造、コンテンツ内容などを総合的に考慮し、今後ベンチマーク対象となる企業を選定。競合企業の戦略を読み解いた上で、自社の取るべき戦略・方向性を確認する。
2.ToBeとなる改善方針の確認・定義の確認(約3週間)
クライアントの考えるToBe像、弊社の考えるToBe像の間でサイトコンセプト・改善施策に齟齬が発生しないよう、両者の認識を擦り合わせていく段階。
2-1.ビジネスゴールの再確認
ビジネスゴールや求められるKGI・KPIに関して、クライアントと弊社で齟齬が発生しないよう、ポイントを抑えつつ意識合わせする。
2-2.主要ターゲット定義
これまでの分析結果から、最適と考えられるターゲット/ペルソナ像を定義する。
2-3.サイトの役割定義
前項で設定した主要ターゲットがサイト上の各所にて現在どのような体験をしているのか、今後どのような体験をするべきなのか、カスタマージャーニーを用いて整理。ToBe像となるサイトの改善方針を定義する。
3.実施施策の定義確認とロードマップ策定(約3週間)
これまで実施してきた1.調査分析、2.改善方針確認から出てきた情報を元に、今後サイトをどうしていくべきか思考する段階。
3-1.改善施策定義
サイトの現状とToBe像の間に存在するギャップを考慮しつつ、実施すべき施策を定義する。
3-2.施策優先度の定義
効果面、コスト/実現性面などの観点から、考案した施策の中でも、どの施策を優先的に実施していくべきか評価する。
3-3.ロードマップ作成
どの段階でどの施策を実施していくべきか、プロジェクト全体をどう進めていくべきか図解したロードマップを作成し、本プロジェクトを完了とする。
難航する既存ベンダーとの調整
顧客企業における部署全体のKGIかつ最終目標は収益拡大。
その中でも、クライアントであるオウンドメディア運用チームの目標は、収益拡大へ貢献する為の「顧客接点確保」になります。その為、オウンドメディアの新規会員登録数増加やオウンドメディア経由でのイベント申込数増加がKPIの中でも重要な指標でした。
そこで1つ、大きな課題になってくるのが、イベント申込用フォームの画面遷移数です。
申込フォームは他社ベンダーのツールを導入してあるのですが、イベント申込をする為に必要な手続きとして、新規会員登録手続き5ステップ+イベント申込手続き4ステップで合計9回画面遷移が必要な状態でした。手続き完了までの間、1画面挟むごとにユーザーの離脱数も増えていくので、サイト運用をする上で重要な目標である会員登録・イベント申込増加を阻害する要因になります。KGI/KPI達成に大きく影響を与える箇所になる課題の為、即改善が求められました。
クライアントもその課題点は認識しており、何度か改善検討はしたものの、ツールベンダーに「仕様上、改善が難しい」と言われており、手付かずの状態でした。ベンダーとの議論に行き詰まってしまい、具体的な打開策を見出すことができていませんでした。 そこで我々は、改めてベンダーへのヒアリングを重ね、根本的な要因、およびその打開策を検討し、複数の代替案をご提案しました。ご提案した複数の代替案のうち、効果と実装にかかる期間を天秤にかけた結果、最終的に下記2案を、2段階に分けて実行に移すことにしました。
①効果中・短期実施プラン
KGI/KPIへの影響を考えるとすぐにでも改善が必要な為、効果面はそこそこだがコストや時間をかけず、即効性が期待できる短期的な改善を現在進行形で実装中です。
具体的な改善内容:申込手続き上、不必要な画面を削除することによって、極力無駄を省く形での改善になります。(9画面から7画面に減少。)
②効果大・中長期実施プラン
実現できれば跳ね返る効果面は大きいが、データ部分の取り扱いに細心の注意が必要となり、コスト・実現性の面で課題のある中長期的な改善をstep2とし、実現に向けて検討中になります。
具体的な改善内容:現状、会員登録とイベント申込をそれぞれ別々のフォームで実施しているのですが、入力する情報項目は殆ど重複しており、殆ど同じ内容での手続きをそれぞれ2サイクル分行う必要がある為、無駄が多い形になります。その為、イベント参加する為に会員登録が必要なユーザーに対して、会員登録とイベント申込手続きを1画面にまとめた兼用フォームを用意することで、会員登録(4画面)+イベント申込(3画面)の直列繋ぎから、会員登録兼イベント申込(合計4画面)の並列繋ぎに変更する形での改善になります。(7画面から4画面に減少。)
以上の施策の結果、改善前と比較して大幅に画面遷移が減少する想定となります。
9画面(改善前)→7画面(1段階目実装中)→4画面(2段階目準備中)
まとめ
本プロジェクトは上記の流れで進めさせて頂きました。
オウンドメディアの改善検討プロジェクトはここで一旦完了するのですが、本プロジェクト内で考案した施策を実行するにあたり、PMOとしての関係者各所との舵取りや、考え出した様々な施策の画面設計を行って頂けないだろうかという要望をクライアントから頂き、現在もご支援を継続中です
webサイトに関して課題を抱えており、お困り事がある場合は是非1度、弊社にご相談ください。
- マガジン編集部
- この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。
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