カスタマーサクセス=サポート、と考えていませんか?
- インプットポイント
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- なぜ既存顧客対応が重要なのかを理解する。
- カスタマーサクセスの本質を理解する。
- カスタマーサクセス実現のための取り組むべき事柄を知る。
最近、カスタマーサクセスプロジェクトや部門を立ち上げて、カスタマーサクセスの取り組みを実施されている企業が多くなってきていると感じます。しかし、よく見てみると既存顧客対応をまとめてカスタマーサクセスと謳っているだけで実際に何を目指しているのか分からなかったり、サービスをこなすためのオンボーディング支援やサポート業務のことを指しているだけであったり、実際にカスタマーサクセスを理解して取り組みを実施できている企業は少ないように思います。
本質を理解せずに取り組んでしまうと効果が十分に発揮できず片手落ちとなってしまう可能性が十分に考えられますので、今日はカスタマーサクセスとはなんぞやを理解し、実際にどういう取り組みを実施していくべきかをご説明いたします。
すでに顧客として取り込み済の既存顧客対応が、なぜ重要なのか
まずは、なぜ既存顧客対応が重要なのかについてご説明します。ひと昔前までは(といってもそれほど前の話ではないですが)、ほとんどの企業が新規顧客の取り込みばかりを気にしていて、どうやって顧客にサービス/企業を知ってもらうか、どうやって興味関心を高めるか、cold顧客をhot顧客にし、サービス購入まで持っていくかばかりを考えており、カスタマージャーニーを描いても購入までのフローしか描かないのが通常でした。
しかし、今は既存顧客対応の施策がとても重要視されています。それには以下のような理由があります。
①新規顧客獲得にかかるコストと解約の損益
新規顧客の獲得って、莫大な広告費などのコストをかけても獲得できる新規顧客数はわずかだったりして、利益貢献に対するコストパフォーマンスはあまり良くないように思います。そこまでしてせっかく顧客になってしまったユーザーが解約してしまうとどうなりますか、、?もう最悪です。新規顧客獲得時にかけたコスト分も利益がでない可能性だってあります。なので、一度顧客になってくれたユーザーに対しては、しっかりニーズに沿ってサービスをブラッシュアップし、使いこなすサポートを行い、サービスを解約せずにサービスを続けてもらう努力が絶対に必要なのです。なんなら、購入後も安心してサービスを使えるイメージが付けば新規顧客も購入ハードルも下がりますよね。
②継続顧客となることで定常的な利益が見込める
サブスクリプションサービスなどがこの考えで成り立っていますが、継続顧客というのはとても強いです。既存顧客対応を行うことで、そのサービス利用無しでは顧客自身の生活やビジネスが成り立たないまでにサービスが馴染んでくると成功です。そういった顧客がサービス利用継続してくれることで定常的に利益が見込め、ある期間に対しての見込み売り上げの計算が出来、さらなるサービス改善への取り組みや新規サービスへの投資にコストをかけられるようになるのです。とてもいい流れです。
また、放っておけば解約したであろう顧客が利益を生み出してくれるとなると、売り上げ貢献としてはかなり大きなインパクトで利益を見込めることとなります。
③ファン化した顧客から新規顧客獲得が見込める
②で、自身の生活やビジネスが成り立たないまでにサービスが馴染んできた顧客は、他のサービスも購入し使い始めるだけでなく(アップセル/クロスセル)、ファン化して周囲に拡散してくれるようになるのです。サービスを使いこなしてくれているファンの周囲の方なので、一から新規見込み顧客を育てるよりも顧客となる可能性はかなり高いと思われます。①で、新規顧客の獲得にコストが掛かると言いましたが、この問題さえ解消してくれるのです。
(ちなみに、だからといって新規顧客を取り込む施策をしなくていいというわけではありません。それはそれで当たり前に実施していく必要はあります)
では、カスタマーサクセスとは何なのか?
前置きが長くなってしまいましたが、この一連の顧客対応を行い、既存顧客がファン化し周囲に拡散し、そこから新規顧客を獲得できる状態になってはじめて、カスタマーサクセスが実現したと言えるのです。一口に既存顧客対応だといって、サポート部門を立ち上げたり、オンボーディング支援をしたり、クロスセルばかりを狙った施策を行うのではなく、しっかり既存顧客のニーズを拾い、顧客の不満を解消し期待に応えるようサービスをブラッシュアップし、サービス使いこなしていただくよう、顧客に寄り添った対応が必要なのです。
カスタマーサクセスの取り組みご紹介
カスタマーサクセスの取り組みも、基本的にはデータ活用を行って実施していくことが通例です。
まずはあらゆるチャネルに散らばる顧客データを収集し、それを分析して顧客のニーズを把握します。顧客のニーズが分かると、そのニーズに応えるための施策を考えます。ここまでの対応で、解約抑止や顧客満足度の向上には大いに寄与すると思いますが、カスタマーサクセスを望むなら、その先の口コミ拡散フェーズまで施策を検討すべきでしょう。
もし、データが蓄積されていない領域で施策を実施したい場合は、論理的に仮説立てを行い、顧客にどのようなニーズがあるかを想定→施策実行→データ検証→施策改善を行う必要があります。
このように、カスタマーサクセスはとても重要で、検討範囲も広いということと、顧客のニーズに応えることに終わりはありませんので、永続的に取り組み随時サービスや施策をブラッシュアップしていく必要があります。
プロジェクトを進めるだけでもかなり大変だと思いますが、顧客満足度や売り上げにも大きく寄与する仕事でもあるので、取り組む価値は大いにあると思います。
余談ですが、私はこのカスタマーサクセスの考え方が大好きです。従来の売り切りモデルでは顧客がサービスを購入するところまでがゴールとされていたので、売ってお金を取ってしまえば顧客がその後どうなろうが検討されていなかったため、本当はそのサービスが必要無いかもしれない顧客にもなんとか購入さえしてもらえばよかったかもしれませんが、カスタマーサクセスでは顧客満足度の向上が大前提にあるので、顧客側もサービス関連の利便性が向上しハッピーになりますし、企業側も継続契約とサービス拡散で売り上げ向上してビジネスが成功し良いことばかりで、とても社会貢献できる考え方だと感じています。
長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
- マガジン編集部
- この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。
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