ニーズの高まるデジタルマーケティング高度化を適切に実現する方法
- インプットポイント
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- 高度化の前提としてチャネル毎に分散したデータの集約が必須、マーケ文脈でいうとCDPの構築を行う
- 具体的な高度化イメージがなくデータ集約だけが先行して進んでしまい宝の持ち腐れになるケースも散見される
- まずは高度化の方向性と具体的なデータ活用イメージを持った上で、CDP構築を行うことが必須
2019年末にはじまり、3年の時を経てようやく終焉の兆しが見えてきた新型コロナウイルスのパンデミック。接触懸念により対面ではなくデジタル・遠隔でのコミュニケーションが必須となり、企業もインフラやチャネルを見直しデジタル上での顧客接点を構築、結果的に老若男女問わずこのデジタル環境への適応が求められるなど、企業とユーザーの関わり方に大きな変化を与えました。
また、日本においては依然として人口減少・少子高齢化が進んでおり、企業が売上を維持・拡大するためにデジタル・ネイティブである若年層を中心とした新規顧客をいかに獲得するかが喫緊の課題となっています。このような背景から、ユーザーとのコミュニケーションをより最適化するため、これまで取り組んできたデジタルマーケティングの高度化に注力する企業が増えています。
今回はデジタルマーケティング高度化の事例と、それらの実現に必要な環境、環境構築にまつわる課題感、最適に実現するための方法をご紹介いたします。
デジタルマーケティングの高度化とは
デジタルマーケティングの高度化といっても、業種や業態により様々な取り組みが考えられます。
ここではそのほんの一部ではありますが、業界等を問わず広く採用されるいくつかの施策事例を挙げていきたいと思います。
1.優良な新規顧客の獲得
すでに自社で契約・購買してくれている既存ユーザーの中でも優良ユーザーを定義し特徴や傾向を分析、類似する特徴・傾向のあるユーザーに対してWEB広告等でアプローチすることで効果的に新規顧客を獲得します。
2.既存顧客の解約防止
過去自社のサービス等を解約したユーザーの属性や行動の変化(例えば購買頻度の減少や解約に関するページの閲覧等)を分析し、ユーザーごとの解約リスクを把握。契約を維持するために必要な特別キャンペーンの告知や営業担当から積極的なコミュニケーションをとることで解約を防止します。
3.オムニチャネルでのパーソナライゼーション推進
店舗・営業担当・コールセンター・WEBサイト・アプリなど、顧客とのコミュニケーションで登場する様々なチャネルで一貫した顧客体験を提供します。例えばWEBサイト上での閲覧履歴等を踏まえコールセンターでの応対を最適化したり、店頭での応対履歴がアプリのマイページに即時反映するなど、オンライン・オフラインで分断されるシームレスな顧客体験を提供します。
マーケティング高度化に必要な環境と課題感
前述したような施策に共通して必要となるのは、顧客プロファイルの構築です。顧客プロファイルとは、顧客一人ひとりの氏名やメールアドレス、年齢・性別・居住地などの基本情報と、WEBサイトや店頭での応対履歴、購買履歴などの行動情報、その他興味関心やアンケート回答結果など、顧客の属性・特徴・意向などの情報を集約したものです。この顧客プロファイルをベースに一人ひとりのニーズや行動を推測し、最適なコミュニケーションをとることで1~3のような従来よりも高度なデジタルマーケティングが可能になります。この顧客プロファイルは、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)と呼ばれるデータ基盤上に構築することが一般的です。
ファーストデジタルでもこのCDP構築を支援させていただく機会が増えてきたのですが、その中でよく目にするのが、CDPの必要性を感じた情報システム部門がLOBやマーケティング部へのヒアリングや情報共有を十分に行わないまま基盤構築をスタートする、というパターンです。事前にCDPの必要性や活用方針のすり合わせが足りていないため具体的な活用計画を持たないままCDP基盤だけができてしまい、結果的に有効活用ができずそのままCDP基盤自体の保持を諦めるという企業も多いのが実情です。
マーケティング高度化を適切に実現するために
そうならないためにも、まずは自社のデジタルマーケティングの現状を整理し、さらに実現すべき理想的な状況を具体化する必要があります。その上で、現状と理想の差分を埋めるために実施すべき具体的な施策を定義し、その施策を実現するために必要なデータや機能はなにかを洗い出し、CDPの要件を定義したうえで最終的にCDPの構築に入るという手順を踏む必要があります。
もちろん自社でこのような取り組みを完結できればベストですが、CDPの構築に必要なデータが部門や組織をまたいで存在していることが多く部門横断での取り組みが必要なため、縦割りの組織体制や企業文化・慣習などの影響でうまく検討を進めることができなかったり、CDPの活用アイディアがなかなか浮かばないなど、様々な問題にぶつかり実現が難しい場合が多いです。このような状況においては、ロジカルな方針検討知見・強力なプロジェクト推進力・豊富なデジタルマーケティング経験を持つコンサルティングファームのような第三者を入れることで打開できることが少なくありません。 ファーストデジタルは、デジタルマーケティング領域における戦略策定から施策立案、実行におけるプロジェクトマネジメントなどを中心にご支援を実施しており、それに付随するCDPを始めとしたシステムの要件定義や構築推進、および組織体制に関する示唆出し・提言を行っております。デジタルマーケティングの高度化に興味がある方は遠慮なくお問い合わせください。
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- この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。
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