銀行業界の動向とデジタル活用の重要性
- インプットポイント
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- 超低金利時代において構造不況と呼ばれる銀行業界の動向と今後向かう方向性
- 業界背景を加味したデジタル活用とデータ統合の重要性
金融業界は構造不況業種のひとつと呼ばれています。構造不況とは、産業構造・需要構造・経済環境などの構造変動に起因した不況のことを指します。特に銀行業に関しては、長期に渡る超低金利政策の影響もあり、預金で資金を調達しそのお金を融資することで金利収益を得るというビジネスモデルの収益低下が続いているため、構造不況業種といわれています。
また、景気の先行き不透明の中、無借金経営や有利子負債に対して慎重な企業が増加しており、生産拠点の海外移転などを積極的に行うなど、国内での融資に対する需要が停滞している状況もあり、構造不況を更に加速させている状況です。
そんな銀行業界においてはデジタル活用の重要性が増しており、このコラムでは銀行業界動向を踏まえたデジタル活用のポイントをお伝えしたいと思います。
改革が進むメガバンク/再編が進む地方銀行/フィービジネスへの注力
前述の構造不況の状況を踏まえ、メガバンクにおいては様々な改革を進めています。例えば、これまでは街中の店舗を起点に顧客との接点を構築していましたが、新型コロナ禍での対面懸念やデジタル接点ニーズの高まりを受けて、店舗削減や対面窓口の廃止、個人/法人向けの機能別再編などが進んでいます。また、インターネットバンキングの普及によりATM利用が減少したことを背景に、従来は銀行ごとに設置していたATMを共同利用できるよう一部のメガバンクが協力し設置費・維持費・経費等の削減を進めています。
また、地方銀行においては、地域経済を支える重要な役割を担っている一方、地域金融における企業数や生産年齢人口の減少により資金需要の減少が見込まれている状況があります。このような背景もあり、大都市がある地域でも複数行での競争が難しく、場合によっては1行でも不採算が想定される地域も少なくないと試算されています。そのため、政府により経営の縦の直しを含めた再編措置が取られる可能性も高いと考えられます。
このような状況において、メガバンク・地方銀行共に注目しているのが、商品やサービス提供の対価として手数料を受け取るフィービジネスです。銀行を窓口として投資信託や外貨預金、保険の販売も取り扱うことで、融資による金利収益以外の収益源を確保する動きが高まっています。
経済圏構築により進む業界再編
構造不況への対策は銀行単体ではとどまりません。かつて、1996年から2001年にかけて行われた金融ビッグバンによる大幅な規制緩和により金融持株会社が解禁され、それにより主には大手銀行や証券会社が中心に合併やグループ化することで銀行・証券・カード・リースなどの金融機能を網羅的に傘下に置き、横断的な金融商品の開発や経営効率化が進んできました。
そんな中、前述のような超低金利政策による構造不況への対策として、大手銀行や証券会社がそれぞれでグループ一体となって経済圏を構築し、新規顧客獲得や既存顧客におけるライフバリュー最大化へ力を入れだしています。
直近では三井住友フィナンシャルグループが推し進める「Olive」を中心とした金融機能の一元化・デジタル化と、Vポイント活用による経済圏構築の動きが代表的です。他にも三菱UFJ銀行がドコモのdポイントと連携したデジタル口座サービスを展開するなど、独自・共通ポイントを軸にした経済圏構築の動きが活性化しています。
金融業界におけるデジタルの重要性
このような背景から、銀行をはじめとした金融業界におけるデジタル活用はさらに重要性を増しています。個別の企業においては、主に新規顧客を獲得するためのデジタルマーケティングや顧客ニーズの分析、デジタル取り引きによる顧客ニーズへの対応、およびAIなどを活用した業務効率化の観点で活用されることが想定されます。また、企業を横断したデジタル活用も今後盛んに行われることが想定され、金融における顧客の幅広いニーズを捉えるためのグループ企業をまたいだデータ統合、金融全般に関する長期的なパートナーとなるための1to1なコミュニケーションやコンサルティングの実現、およびBaaSによる他業界とのアライアンス獲得による新たな収益源・接点・データの獲得など、様々な領域でのデジタル活用が想定されます。
ファーストデジタルでは、デジタルマーケティング領域における戦略策定から施策立案、実行におけるプロジェクトマネジメントなどを中心に、それに付随するデータ統合を始めとしたシステムの要件定義や構築推進、および組織体制に関する示唆出し・提言を行っております。金融業界における支援実績も豊富に揃っておりますので、金融におけるデジタル活用に興味がある方は遠慮なくお問い合わせください。
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