実は難しくない!DX部門に必要な組織作り(2/2)
- インプットポイント
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- 事業会社のDX部門の課題/社内の役割についての理解
- DX部門に必要な人員構成方法についての理解
- DXコンサルタントの活用用途についての理解
前の記事で、DX部門が持つ役割と課題の解決方法およびDX部門に必要な人材についてご説明いたしました。(実は難しくない!DX部門に必要な組織作り(1/2)はこちら)DX案件の推進のためには、スペシャリスト的な人材ではなくPM業務、上流工程の検討業務、各部との調整業務ができるジェネラリスト的な人材が必要となります。
今回の記事では、そのジェネラリスト的な人材が居ないまたは不足している場合、組織としてどう対応すればいいのか、その解決方法を解説いたします。
解決方法①:ジェネラリスト人材を育てる
一つ目の解決方法は、社内でジェネラリスト的な人材を育てる、です。育成できれば、今社内に人材がおらず採用もできなかったとしてもほしい人材を確保することができ理想的な手法です。が、個人的にはこれはあまり得策だとは思っていません。なぜなら、DX案件の推進業務(M業務、上流工程の検討業務、各部との調整業務)はかなり難易度が高く、簡単に習得できるスキルではないからです。我々コンサルタントも常にこれらの業務と向き合っていますが、DX案件の業務のみ行っていても自身で推進できるようになるまでには数年はかかる感覚があります。DX化は急務を要する取り組みであるのに、人材を育てるだけで数年もかけていてはビジネスが追い付いていけません。さらに、社内にジェネラリスト的な人材が不足している中で、そもそも育成者がいないといった課題もあります。
解決方法②:ナレッジ化によるスキルの均一化
二つ目は、業務のナレッジ化です。各事業部門が持つ課題を吸い上げ、プロジェクト推進のサポートまたは実際に検討を行う場合に必要な業務の流れと実施が必要なタスクを予め定義(=ナレッジ化)しておき、DX部門の担当者はその定義されたタスクを決められた順序で実施することで、DX案件推進のスキルを一定のレベルで均一化することができます。
このナレッジ化を行う際に重要な取り組みは以下3点です。
- 案件パターンごとのタスク定義
例えば、案件の検討を進める上で必要な業務として各種調査業務がありますが、新規デジタルチャネルの立上げ案件であれば競合調査や該当ターゲットへのヒアリングが重要で、Webサイトの運用改善案件であれば社内システム・運用フローの調査が重要、といったように、案件内容によって実施すべきタスクが異なるため、案件パターンごとにタスクを定義し分けておく必要があります。
- タスク実施フォーマットの作成
例えば、他社調査を行った際にどのような観点でどのようにまとめればいいのか、カスタマージャーニー作成はどのようなフローで検討しどのようなアウトプットが必要なのか等、タスクを進める上での検討アウトプットをフォーマット化し用意しておくことでDX担当者が各タスクで必要な検討内容を把握出来、資料化のイメージも付きやすくなります。
- ナレッジ利活用のためのブラッシュアップと定着化
ナレッジ活用を促進させるために、ナレッジのブラッシュアップと定着化の取り組みが重要になってきます。ナレッジ化作成時点の想像した内容と現実の案件タスクとのギャップを感じる部分の改善(=ブラッシュアップ)を行い、ナレッジを作成した担当者やジェネラリストのスキルが高い人材がそうではない人材に対して指導しながらナレッジを活用することで(=定着化)、各担当者が自身でナレッジを使いこなし案件を推進できる状態に持っていく必要があります。
解決方法③:DXコンサルタントの活用
三つ目が、我々DXコンサルタントの活用です。コンサルタントは社内にリソースや知見が足らない場合に活用されるものですが、それをDX案件のジェネラリスト人材として起用する、ということになります。この際に注意しなければならないのが、スキルが高く高品質なアウトプットを提供できるコンサルタントか否かの見極めです。正直、DXコンサルタントと言いながらスキルが低く充分に案件推進できないコンサルタント(コンサル会社)はかなり多いと感じており(それほどDX案件の推進が難しいということなのですが、、)依頼先を失敗してしまうと、依頼費用と時間のコストを無駄にしかねません。しかし、良いコンサルタント(コンサル会社)に出会えれば、PM業務、上流工程の検討業務、各部との調整業務などの場面で強力なサポート役となりDX案件を迅速に推進できることと思います。
結局、どの解決方法が良いのか?
個人的には、解決方法②(ナレッジ化によるスキルの均一化)と解決方法③(DXコンサルタントの活用)の両輪での推進が最も効果的だと考えています。解決方法②のも良いのですが、あくまで”均一化”であり、あまり高いレベルの対応は期待できないため、難易度低~中程度の案件はナレッジを活用しながら社内で対応し、難易度の高い案件にはコンサルタントを起用するといった案件難易度による使い分ける、またはナレッジ化の作成自体を知見の豊富なコンサルタントに依頼し、社内で活用しながらブラッシュアップと定着化の支援をコンサルタントに依頼するなど、場面場面で上手くコンサルタントを活用いただくことでDX化は滞ることなくスムーズに進んでいくでしょう。
我々DXコンサルタントも、企業のDX化を考える担当者様のお力になれれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
- マガジン編集部
- この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。
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