2023.12.20

ロイヤルティマーケティングを実践するには何をすればいいのか?

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ロイヤルティマーケティングを実践するには何をすればいいのか?
インプットポイント
  • ロイヤルティマーケティングの主な戦略と種類
  • ロイヤルティマーケティングを成功に導く秘訣

現代のビジネス環境において、競争が激化する中で企業は新規顧客の獲得だけでなく、既存の顧客との深い結びつきを築くことが不可欠です。そのために利用される戦略の中でも特に注目されているのが、ロイヤルティマーケティングです。

過去2回に渡り、ロイヤルティマーケティングの基礎知識や、ロイヤルティの測定方法について、ご紹介してきました。

今回は、「ロイヤルティマーケティングとは具体的に何をすることなのか」について、深掘りしたいと思います。ロイヤルティマーケティング戦略の種類に焦点を当て、企業が顧客との深い関係を築く為にどのような手法を活用できるかについて詳しくご紹介します。

ロイヤルティマーケティングの戦略と種類

ロイヤルティマーケティング戦略には様々な種類が多数存在しますが、今回はその中でも多くの企業やブランドが採用している10種類の戦略をご紹介します。

  1. ロイヤルティプログラム
    「ロイヤルティプログラム」は、顧客との長期的な関係を構築するための重要な手法であり、その中には様々なアプローチが存在します。主な手法には、「ポイントプログラム」と「会員特典プログラム」があります。
    「ポイントプログラム」とは、顧客が商品やサービスを購入するたびにポイントが蓄積される仕組み/制度の事です。これらのポイントは後に特典や割引として利用でき、購買行動の促進と同時に忠誠心の向上をもたらします。例えば、航空会社のマイレージプログラムがこれに当たります。フライトや利用金額に応じてポイントが加算され、これを次回のフライトや特典として利用できます。
    「会員特典プログラム」とは、特定の会員になることで得られる特典や優遇を提供する仕組み/制度の事です。商品やサービスの利用に応じてポイントがたまり、これにより会員ランクが上がります。高いランクの会員にはより魅力的な特典が提供され、会員は継続的な利用を促されます。これにより、企業は特定の顧客層との深い結びつきを築くことができます。
  2. クロスセル/アップセル
    クロスセルは、既存の顧客に関連する他の商品やサービスを提案する手法であり、アップセルは既存の顧客に高価な商品やサービスを提案する手法です。例えば、オンラインストアで商品を選択する際に「この商品と一緒によく購入されています」や「より高機能なバージョンもご検討ください」といった提案がこれに当たります。これにより、顧客は関連性の高い商品やサービスを知ることができ、企業は売上を向上させることができます。
  3. リファラルプログラム(紹介制度)
    リファラルプログラムは、既存の顧客が新規顧客を紹介する仕組みです。具体例として、紹介プログラムが挙げられます。プログラムでは、既存ユーザーが新規ユーザーを招待すると、両者に特典が提供されます。これにより、新規ユーザーは初回利用時に割引を受けることができ、紹介者も次回の利用時に特典を得ることができます。このような仕組みを通じて、既存ユーザーは積極的に友人や知人をサービスに誘導しやすくなります。
  4. 他社とのパートナーシップ
    他社とのパートナーシップは、相互の顧客に対して特典やサービスを提供することで、新たな層にアプローチする手法です。具体例として、クレジットカードと航空会社の提携が挙げられます。特定のクレジットカードを利用することで、そのクレジットカード発行会社と提携している航空会社の特典が受けられます。これにより、両方のサービスを利用するユーザーに対して追加価値が提供され、両社は顧客を共有することで新たな市場にアクセスすることが可能になります。
  5. アンバサダープログラム
    アンバサダープログラムは、特定の顧客にブランドの代表となって活動してもらう戦略です。ブランドはアスリートやフィットネス愛好者に対して、特定の商品を提供し、彼らにブランドの代表として活動してもらいます。これにより、彼らの影響力を通じて広告やプロモーションが拡散され、彼らのファンがブランドのファンにもなっていくことにつながります。
  6. UGCマーケティング
    ユーザージェネレイテッドコンテンツ(UGC)マーケティングは、顧客自身が製品やブランドに関するコンテンツを生み出すことを奨励する戦略です。
    具体例として、ハッシュタグキャンペーンが挙げられます。企業は特定のハッシュタグをつけて商品を使用したり、特定のコンセプトに基づいた写真を投稿したりすることで、顧客が自発的にコンテンツを共有するよう促します。これにより、消費者同士の交流が生まれ、ブランドへの関与が深まります。
  7. カスタマーエクスペリエンス(顧客体験・CX)
    優れたカスタマーエクスペリエンスの提供は、ロイヤルティを構築する鍵となります。
    具体例として、店舗でのカスタマーエクスペリエンスが挙げられます。店舗では、商品を自由に試すことができ、専門のスタッフが質問に丁寧に応えるなど、購買の過程が商品だけでなくエクスペリエンスそのものとなっています。これにより、顧客は商品に対する理解が深まり、また良いエクスペリエンスを得たことでブランドに対する信頼感が高まります。
  8. パーソナライズドマーケティング
    パーソナライズドマーケティングは、顧客の好みや行動履歴に基づいて、個々の顧客に合わせた情報やオファーを提供する手法です。
    オンラインショッピングサイトが購買履歴を分析し、顧客に最適な商品や特典を提案するのはその一例です。これにより、顧客はより関心を持ち、企業は的確なコミュニケーションを通じてロイヤルティを築くことができます。
  9. ファンコミュニティ
    ファンコミュニティは、ブランドや製品に熱心なファンを集め、彼らとの交流を促進する戦略です。特定のブランドにロイヤルティを持つ顧客は、オンラインフォーラムやソーシャルメディアグループに参加し、自らの経験や情熱を共有します。
    例えば、アウトドア用品ブランドが提供するオンラインコミュニティでは、登山やキャンプ愛好者が集まり、最新の製品情報やアウトドア活動に関するエクスペリエンスを共有します。これにより、ブランドと顧客のコミュニケーションが深まり、ファン同士のつながりも生まれます。
  10. コンテンツマーケティング
    コンテンツマーケティングは、商品とは直接関係ない「顧客が好む情報やエンターテイメント」の提供を通じて顧客とのつながりを深める戦略です。企業はブログ記事、動画コンテンツ、ソーシャルメディア投稿などを通じて情報やエンターテインメントを提供し、顧客に有益なコンテンツを提供します。これにより、顧客はブランドに対して興味を持ち、信頼感が向上します。
    例えば、健康食品の通販企業は、会報誌やメルマガ等で、ターゲットであるシニア層の興味関心の高いライフスタイル情報を提供することがあります。これにより、顧客はその企業を「単に売り込みにばかり熱心な企業」ではなく、「自分たちの健康的なライフスタイルを応援してくれる企業」として捉え、その企業に対し愛着が生まれ、ファンとなっていくのです。

ロイヤルティマーケティングを成功に導く秘訣

ロイヤルティマーケティングの成功には、アクションロイヤルティとマインドロイヤルティの両面からアプローチすることが不可欠です。

アクションロイヤルティは、ユーザーの購買行動を指します。具体的には、リピート購入、定期購入、他のブランドの追加購入といったアクションがこれに当たります。一方で、マインドロイヤルティは、企業やブランドに対する顧客の深い愛着や感情的な結びつきを指します。

今回ご紹介した10の戦略では、以下のように、「どちらのロイヤルティに寄与しやすいのか」という特徴に違いがあります。それらの特徴を理解し、戦略をうまく組み合わせることで、企業は単なる商品やサービスの提供者から、顧客との共感と信頼を築くパートナーへと変化していきます。最適な戦略の選定は企業の特性や顧客層によって異なりますが、柔軟で戦略的なアプローチがロイヤルティを育む鍵となります。

  • アクションロイヤルティに寄与しやすい戦略

① ロイヤルティプログラム
② クロスセル/アップセル
③ リファラルプログラム(紹介制度)
④ 他社とのパートナーシップ

  • マインドロイヤルティに寄与しやすい戦略

⑤ アンバサダープログラム
⑥ UGCマーケティング
⑦ カスタマーエクスペリエンス(顧客体験・CX)
⑧ パーソナライズドマーケティング
⑨ ファンコミュニティ
⑩ コンテンツマーケティング

まとめ

今回ご紹介した10種類のロイヤルティマーケティング戦略は、いかがでしたでしょうか?

どの戦略も共通しているのは顧客との強い結びつきを築くことです。これらの手法を組み合わせることで、企業は顧客に愛されるブランドを構築し、競争激化する市場で差別化を図ることができます。単なる購買行動だけでなく、企業のブランドと深いかかわりを持つことの重要性を認識し、自身のビジネスにおいてもアクションロイヤルティとマインドロイヤルティの双方を意識的に育む取り組みを実践してみてはいかがでしょうか?

Profile

田中 瑞樹Senior Analyst
一橋大学卒業後、2000年P&Gファーイースト・インクに入社。アシスタントブランドマネージャーとして新商品のコンセプト開発に従事。2002年ダイレクトマーケティングに強みを持つ広告会社の株式会社大広に入社。営業を2年、マーケティングリサーチャー・ストラテジープランナー2年の職種経験を経て、2006年より大⼿健康⾷品通販クライアントの専属デジタルチームのリーダーに着任。以降、約11年間チームを牽引しつつ、「新規顧客獲得販促活」から「顧客育成のCRM活用」まで幅広い範囲のデジタルマーケティング活動に関して、戦略策定・メディアプラン作成・施策開発等に従事。2017年から株式会社ファーストデジタルにジョイン。
田中 瑞樹
田中 瑞樹
この記事は田中 瑞樹が執筆・編集しました。

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