2024.03.20

金融業界におけるサードパーティーを活用した顧客理解の深化

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金融業界におけるサードパーティーを活用した顧客理解の深化
インプットポイント
  • 金融業界のマーケティング課題
  • サードパーティーデータを活用し顧客のライフイベント・興味関心を把握する方法
  • 個人情報保護法の規制強化と個人関連情報の相関性

金融業界は、メガバンク、生命保険、損害保険、証券など多岐にわたりますが、現在、いずれの分野も大きな転換期を迎えています。各分野はこれまで安定したビジネスモデルを築いてきましたが、低金利政策の長期化による収益の悪化や、金融仲介サービス業の登場やフィンテック企業の台頭による市場競争の激化、さらには自然災害の激甚化による災害リスクの増大といった、多方面からの圧力に直面しています。このような背景から、これまでのように各業界の主力サービスのみに依存する体制はもはや大きなリスクとなることが想定されるため、従来とは異なる商材の販売や新たなサービスを創出し事業を多角化しつつ、新規・既存の両顧客に対してサービスを提供し顧客のLTV最大化を図ることが業界全体で求められています。

顧客理解の新たな挑戦

このような従来のビジネスモデルの限界を超えるために、金融業界では顧客理解の深化が急務とされています。しかし、本当の意味での顧客理解の深化はそう簡単なものではありません。というのも、顧客のライフステージやニーズは絶えず変化しており、これらを正確に把握することは金融業界が保有する顧客の契約情報やサービス利用履歴など、限られたデータをもとに分析・推測するには限界があり、より深い顧客理解を目指す上で、このような保有する顧客データの不足は大きな障害となります。

さらに、直近で施工された新たな個人情報保護法の規制強化により、従来の個人情報・匿名加工情報に加え、仮名加工情報・個人関連情報などの定義が設けられ、個人情報・顧客データの取り扱いをより難解にしています。これらの要因が合わさり、顧客理解を深めるための新たな取り組みは、金融業界にとって複雑な問題となっています。このような背景の中で、金融機関は新しい技術や手法を積極的に採用し、顧客理解を深めるための努力を強化する必要があります。顧客の真のニーズを理解し、それに応えるサービスを提供することは、競争が激化する金融市場において生き残るための鍵となります。

サードパーティーが提供する個人関連情報の活用

顧客理解を深化させる新たな取り組みにおいて、サードパーティーが提供する個人関連情報を基にした顧客のライフイベント・興味関心推測が有効活用できると考えています。

一つの例として、ホームページやアプリなどの閲覧履歴をはじめとした豊富なオーディエンスデータを基に、企業の顧客情報に対してライフステージや興味・関心に関するデータを付与するデータリッチ化サービスが存在しています。金融機関は自社の顧客データとこのサードパーティーの提供するデータを組み合わせることで顧客のライフイベントやニーズを特定することが可能になり、例えば、特定のライフイベント(結婚、出産、住宅購入など)を迎える顧客に対して、メール配信やアプリのプッシュ通知、アウトバウンドコールなどを経由してより適切な金融商品を提案することが可能になり、顧客満足度の向上はもちろんのこと、クロスセルの機会も大きく広げます。

さらに、このサードパーティーの提供するデータは個人関連情報に類するとされており、ユーザーの同意を前提に個人情報と紐づけたデータが活用であり、規制強化された個人情報保護法にも準拠した取り組みが可能となります。

一方、このような取り組みを実現する過程では、データ紐づけ率の問題、金融企業のリスク意識、そして費用対効果などの課題が顕在化することが往々にしてあります。これらのハードルは確かに存在しますが、適切な対策と綿密な計画によって回避することが可能です。

デジタルマーケティングの未来

金融業界のデジタルマーケティングは、目覚ましい変革を遂げています。上記で紹介したサービスをはじめとする革新的なサービスやツールの登場により、顧客理解の深化とパーソナライズされたマーケティング戦略が実現可能になりました。しかし、このような急速なデジタルシフトは同時に、データプライバシーの確保、技術的なハードルの克服、そして戦略的なデータ活用の必要性を浮き彫りにしています。

デジタルマーケティングの未来は、これらの課題にどのように対応するかにかかっていると言っても過言ではありません。金融機関がデジタルマーケティングの最適化・高度化を成功させるためには、顧客データを安全に管理しつつ、効果的なコミュニケーション戦略を構築することが不可欠です。また、データ分析の専門知識を持った人材の育成や、外部の専門企業との協業も、成功への鍵となるでしょう。

このような背景の中、私たちファーストデジタルは、金融機関がデジタルマーケティングの新時代を生き抜くためのお手伝いをしております。私たちは、豊富なデータ活用プロジェクトの経験と専門知識を提供し、顧客理解の深化から戦略の実行まで、一貫した支援をご提供します。この記事に記載されているような課題感をお持ちの企業は是非ファーストデジタルまでご相談ください。

Profile

木田 祐輔Manager
北九州市⽴⼤学卒業後、広告プロダクションを経て、不動産領域のデジタルマーケティングに特化 したWEB広告代理店に⼊社。コミュニケーションデザインセクションのマネージャーとして、⼤⼿不動産企業の事業戦略やデジタルマーケティング戦略の⽴案、新ブランドや会員組織の⽴ち上げに関わる施策⽴案等、プロデューサー・ディレクション業務に従事。某SIerにおいて仁科のもとでデジタルマーケティングコンサルタントとして就業後、2020年から株式会社ファーストデジタルにジョイン。
木田 祐輔
木田 祐輔
この記事は木田 祐輔が執筆・編集しました。

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