2024.09.04

データドリブン経営とは?データドリブンな組織を作るために必要なこと

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データドリブン経営とは?データドリブンな組織を作るために必要なこと
インプットポイント
  • データドリブン経営のステップについて理解できる
  • データドリブン経営がうまくいかない要因について理解できる
  • ファーストデジタルのデータ活用支援について理解できる

昨今、ビジネスシーンにおいて“データ活用”という言葉を耳にすることが増えてきました。多くの顧客を保有する企業においては、当たり前のようにデータを活用した経営/組織作りが進められています。

一方で、まだまだデータという資産を活用しきれていない企業/組織も多くあるかと思います。実際に、弊社に寄せられるご相談の中でも、データ活用に関連した案件が非常に多い印象です。自社に集まるデータを活用したいのはやまやまだが、具体的にどこから手をつけてよいか分からない、というのが現状ではないでしょうか。

本記事では、データドリブン経営の概要、データドリブン経営を行うための具体的なステップ、そしてデータドリブンがうまくいかない3つの要因についてお伝えするとともに、我々がご支援可能な具体的な内容についてご紹介します。

データドリブン経営とは?

データドリブンとは、「データ主導で意思決定をすること」です。データは、定量情報と定性情報のどちらも重要ですが、定量情報の方がどちらかというとより良い意思決定ができると言われています。理由は、定量情報は定性情報よりも網羅性・緻密さ・客観性・再現性の観点において優れているからです。

データドリブン経営とは、「ビジネスのあらゆる局面で、データ主導で誰に何をするのかの意思決定をすること」となります。

データドリブンのステップ

データドリブンを行うために必要なステップとしては、前提+3つの計4つです。

【STEP0】大前提:顧客行動データなどのデータ整備

まず大前提として、顧客データの整備があげられます。そもそも活用するためのデータ環境が整っていなければ意味がありません。自社に集まる顧客データを集約/整備して、いつでも活用できる状態にする必要があります。

後述しますが、このデータ整備の段階で多くの企業が二の足を踏んでしまっている印象があります。大きな企業ほど、保有データの所在がバラバラであったり、顧客データの統合が難しい、等の多くの課題を抱えている状態がよくあります。弊社に寄せられる相談においても、どのような形でデータ整備をしていけばよいか分からない、というご相談が非常に多いです。

これは、最終的にデータ活用の具体的な施策に落としていくにあたり、どのようなデータ施策を実行できるか、という解像度が低い状態のため、そもそもどのような形でデータを保有しておくべきか、という理想状態が不明瞭、という点が根本の要因だと考えられます。

そのためこのフェーズでは、データ活用における最終的な理想状態、いわゆる青写真のようなものを描くことで、組織全体の方向性/認識を合わせることが重要だと考えます。

【STEP1】データドリブンを実践する組織風土作り

2点目は、データドリブンを実践するための組織風土作りです。データで事業を成長させるためには、データの整備に加えて、「社内でデータに基づく意思決定が重要である」という組織風土の醸成が必要になります。大きな会社であるほど、そして長年の業務経験を積んできた人であればあるほど、これまでの経験則に基づく意思決定をしてしまいがちです。

データドリブン経営のためには、データというファクトに基づいて、あくまで客観的に意思決定を行う必要があります。そのためには、先に述べたデータドリブンの目的の共有、および事業判断を下す部門とデータを取り扱う部門の意思疎通が必要不可欠となります。また、後述するデータドリブンが進まない3つの要因の回避も必要です。

【STEP2】顧客行動データを通じた顧客の徹底理解

3つ目は、顧客行動データを通じた顧客の徹底理解です。データに基づく分析によって、自社のサービスが顧客にとって良いのか、悪いのかを見極めます。良い状態の場合には何故良いのか、良さを加速させるためにはどうすればよいのか。悪い状態の場合には、なぜ悪いのか、どうすれば改善できるのかを検討する事が重要です。

【STEP3】ターゲット顧客に向けた施策実行

4つ目は、ターゲット顧客に向けた施策の実行です。「誰に何をするのか」というところまで顧客の理解を深めたうえで、ターゲット顧客に対して適切な施策を実行していきます。

この際、市場の変化・自社の変化・競合の変化等の影響によって、タイムリーに施策を修正していく必要があります。

データドリブンがうまくいかない3つの要因

ここでは、データドリブンの実行がうまくいかない3つの要因についてご紹介します。

見たいデータが見られない

要因の1つ目は、見たいデータが見られない状態にあることです。事業構造が複雑でデータ構造が難解になっていたり、何らかの理由で顧客データが統合できなかったりと、様々事象が考えられますが、これらはデータを整備するケイパビリティが不足していることが最大の理由です。

この問題の解決のためには、まずは何よりデータ整備人材を充足させることが必要となります。社内のデータに明るい人材を登用/育成するか、社外のリソースを使って解決を図ります。

見たいデータは見られるが、活用されていない

2つ目の要因は、見たいデータは見られるが、活用されていない状態にあることです。この問題の解決策は大きく2点です。1点目はデータ分析人材を充足させること。2点目は、組織と情報の分断を修復することです。

組織と情報の分断とは、例えば事業部門とデータ部門、事業部門と財務部門など、組織内の異なる部門間におけるデータ活用の方向性/足並みが揃っていない状態を指します。お互いが本当に知りたいことについて理解した上で、データ分析と活用を行っていく必要があります。

また、定量情報と定性情報の分断もあげられます。顧客ヒアリングを通じた定性的な情報と顧客アンケートを通じた定量的な情報は、どちらも重要な情報であり、本来であればどちらも無視できるものではないですが、時に逆の結果を出してしまう時もあります。どちらの情報も十分に考慮したうえで、連携して示唆を深めていくことが重要です。

データは活用されているが、正しく活用できていない

3点目の要因は、データは活用されているが、正しく活用できていないことです。これは、データをニュートラルに見る姿勢の欠如が理由となります。自分が見たいデータを追い求めるあまり、データを見て、全く別の示唆を出してしまうことも起こり得ます。データをできるだけ中立に見ることのできる体制を整えることが必要です。

データドリブン経営のためにファーストデジタルがご支援できること

ここまでデータドリブン経営のためのステップ、そしてデータドリブンがうまくいかない3つの要因について述べてきました。最後に、データドリブン経営のために、ファーストデジタルがこれまで提供してきたご支援の一部についてご紹介します。

1.理想的なデータの在り方の検討

弊社が得意としている支援領域の1つは、データ活用戦略における上流部分となります。具体的には、先に述べた「見たいデータが見られない」状態、およびその前段階の検討支援です。

前段階とは、そもそもクライアントが「見たいデータ」とは何なのか?という部分です。自社/他社 /顧客調査等の様々なインプットを踏まえて、どのようなターゲットに向けて、どのようなことを行っていきたいのか、今後どういった状態が理想なのか、何となく頭の中にはあるけど描ききれていないという部分を、カスタマージャーニー等を描くことで明確にしていきます。

データ整備のためには、具体的にデータをどう活用していく、という最終的なゴールまで見据える必要があります。その青写真を描くことで、組織内におけるデータ活用の方向性を定め、データドリブン推進のお手伝いをさせていただきます。

2.具体的なデータ活用方法/施策の検討

また、理想的なデータの在り方の検討と同時に、具体的なデータ活用の方法についても検討します。現在集まっているデータを活用してどのような施策が打てるのか、逆に今は集められていないが、将来的にどのようなデータを集めることが必要か、という観点でも検討を実施します。

例えば、このターゲットに対して、このチャネル上でこういったアプローチをするためには、このデータを活用してこの施策を打つ必要がある、といったレベルまで落とし込みます。

活用施策を網羅的に洗い出すことで、最終的なゴールへの解像度がより上がるのと同時に、1つ目にあげた理想的なデータの在り方も、解像度高く描くことができます。また、洗い出した施策に関しては、様々な観点から優先度を付け、具体的な施策実行に向けた部分まで伴走いたします。

まとめ

データドリブン経営のためには、組織全体でデータ活用の方向性を合わせた上で、データ収集~整備~分析~活用まで実行する必要があります。我々ファーストデジタルでは、クライアントのデータドリブンのために、データ活用戦略の上流部分から、戦略策定、施策立案、実行にいたるまで、一緒になってご支援させていただきます。

なお、本記事に記載の、データドリブンに関する記述の出典は下記となります。当該書籍では、データドリブン経営に関するより具体的な方法論についても触れられているので、ご興味のある方は是非読んでみてはいかがでしょうか。

参考図書

「DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門」(榊淳/株式会社翔泳社)

Profile

井上 陽貴Senior Consultant
慶應義塾大学卒業後、楽天グループ株式会社に⼊社。モバイル事業において、モバイルコンサルタントとして複数店舗の分析・仮説⽴案・改善提案・施策実⾏を担当。その後、EC事業において新規店舗開拓の営業に従事。2023年から株式会社ファーストデジタルにジョイン。
井上 陽貴
井上 陽貴
この記事は井上 陽貴が執筆・編集しました。

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